『ランチェスター経営7つの成功戦略』から学ぶ知恵

手帳と眼鏡

軍事戦略がそのまま経営に役立つ思考になる

「ランチェスターの法則」は、2006年ころから日本でブームになってきたビジネスにおける考え方です。
この「ランチェスター」とは、英国のエンジニアであったフレデリック・ウイリアム・ランチェスターからつけられた名前です。

ランチェスターは1914に発表した数理モデルでは、当時行われていた第一次世界大戦において統計的分析により2つの基本法則を導き出しており、そこから戦闘や競争の結果を予測できるようにしました。

元々は戦争における戦略を組み立てるための考え方だったのですが、他の分野にも応用ができる優れた法則であったことから、現在では主に経営において使われることが多くなっています。

経営やビジネスシーンにおけるランチェスターの法則をわかりやすくまとめた書籍に「小さな会社・儲けのルール ランチェスター経営7つの成功戦略」というものがあります。

こちらの書籍は実際に中小企業や零細企業を対象にコンサルタント業務を行ってきた著者が、実際の例をもとに現場におけるランチェスターの法則の使用方法をまとめたものとなっています。

現場経験に基づく内容紹介であることから初めてランチェスターの法則を知る人にも大変わかりやすく、すぐに役立つビジネス書として人気です。

弱いからこそとれる戦略がある

ランチェスターの法則は大きく2つとなっており「戦闘力=兵員数×武器性能」「戦闘力=兵員数の二乗×武器性能」というシンプルなものです。

最初の法則は「弱者の法則」、次のものが「強者の法則」となっており、それぞれ自軍と相手軍の差を把握することでとれる戦略が異なってきます。

細かく説明をすると非常に長くなるのでより詳しく知りたい人は上記の書籍を読んでみることをすすめますが、ごく簡単にまとめると「規模の大きさと持っている武器の質が戦局を決める」ということになります。

一見会社規模の小さい中小・零細企業は大企業にかなわないと思われがちですが、それは同じフィールドで対決をしようとしてしまうからです。

つまり接近戦や局地戦など限られたエリア内で相手の戦力との差がない状況に持ち込むことができれば、十分に勝機はあるということになります。

逆に十分に会社規模のある大企業の場合には、そうした局地戦は避けた全体のシェア獲得に力を入れることで市場を支配することができるということです。

問題はそうした自分たちが勝てる場所にいかに戦いのフィールドを持ち込むことができるかというところなのですが、そのためには自社の得意分野や不得意分野の把握・分析が欠かせません。

ランチェスターの法則はビジネス以外にも、スポーツやプライベートな人間関係など複数の場所に応用できるので、ぜひ教養の一つとし身につけておきたいものです。